HYPNOTIC

〜井の中の蛙、大海に憧れて〜

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日本国旅券の魔法

家族、恋人、友達、生まれ育った故郷に別れを告げて、一人異郷の地で暮らすのは、実際に孤独なものだ。

遥かな海の向こう側で、なんとも言えない不安に襲われた時、僕は静かにパスポートを取り出してみる。

皆様は、本国旅券の一番最初の頁に書かれている言葉を御存知だろうか。

日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。 

―日本国旅券

The Minister for Foreign Affairs of Japan requests all those whom it may concern to allow the bearer, a Japanese national, to pass freely and without hindrance and, in case of need, to afford him or her every possible aid and protection. 

―JAPAN PASSPORT

偉大な先人達は、「信用」という素晴らしい遺産を残してくれた。

実際に今こうして、通路故障なく世界中を飛び回っている僕は、この素晴らしい遺産を後世に残して行く義務を負っている。

そんな責任感に目覚める瞬間に、胸を掠めた不安はどこかへ消えてしまう。

今この瞬間からまた、一人の日本人として、しっかり胸を張って生きていこうと思う。